弁護士の皆様と面談をするときは,事前に様々な角度から事案の内容を検討します。特に,患者さんに行われた医療行為が,その当時の医療水準を満たしているのか否かを慎重に判断します。医療水準の判断は,その医療行為が広く普及しているかどうかが肝要です。そこで,今回のブログでは,脳神経外科医の間で広く普及している教科書,医学雑誌をご紹介します。
教科書
・脳神経外科学 改訂12版 太田富雄総編集・金芳堂
2960頁・3分冊・ケース入・定価(本体34,000円+税)
(解説)脳神経外科医のバイブルです。基本的な知識を網羅しています。疑問点があれば,まずはこの本を開きます。この本に掲載されていない内容は,自分が知らなくても仕方ないと感じてしまうほどの,圧倒的な量と質です。
医学雑誌(和文)
・脳神経外科(医学書院)
月刊誌。和文の雑誌ですが,Index Medicusにも収載され,内容も充実していることから,脳神経外科医の間では高く評価されています。
・脳神経外科ジャーナル(日本脳神経外科コングレス)
月刊誌。内容は主に脳神経外科医の教育的な視点でまとめられています。最先端の知見も紹介され,第一線の脳神経外科医なら押さえておくべき内容となっています。
医学雑誌(英文):主要な雑誌をImpact Factor (2016) の高い順に列挙します
・Neurosurgery(Oxford University Press)
月刊誌。世界的に有名な脳神経外科雑誌の一つ。Impact Factor (2016): 4.889
・Journal of Neurosurgery(American Association of Neurological Surgeons)
月刊誌。世界的に有名な脳神経外科雑誌の一つ。Impact Factor (2016): 4.059
・World Neurosurgery(Elsevier):
月刊誌。Impact Factor (2016): 2.592
・Neurosurgical Review(Springer):
年4回発行。Impact Factor (2016): 2.060
・Acta Neurochirurgica(Springer):
月刊誌。Impact Factor (2016): 1.881
・Clinical Neurology and Neurosurgery(Elsevier):
月刊誌。Impact Factor (2016): 1.381
・Neurologia medico-chirurgica (Tokyo)(日本脳神経外科学会):
月刊誌。わが国の脳神経外科学会が発行する雑誌です。インターネットで自由に閲覧できます。Impact Factor (2016): 0.929
以上です。私も,専門領域に関する知識をアップデートするために,上記雑誌の最新号はできるだけ目を通すようにしています。弁護士の皆様も,文献を引用する場合,まずは上記の教科書「脳神経外科学 改訂12版」や主要な医学雑誌から引用することをご検討ください。
私どもの事務所では,英語論文の全文和訳に関するご相談もお受けしています。お気軽にご相談ください。